「紅茶のシャンパン」とも称され、格別の味わいを持つダージリンティー。世界三大紅茶の一つとして数えられ、日本でも親しまれている紅茶です。今回はダージリンの特徴やおすすめの飲み方を紹介します。ご自身の好みに合ったダージリンを見つけて、素敵な紅茶タイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ダージリンとは?

ダージリンとは、生産地の名前がついた紅茶です。
インドのダージリンにある茶園で収穫された紅茶のことをダージリンといいます。ダージリンは、インドの北東部にあるヒマラヤ山脈の麓に広がっている山岳地帯の地名です。
ダージリンは、スリランカのウバ、中国のキームンと並んで、世界三大紅茶とされています。
ダージリン産を名乗ることができるのは、インド政府紅茶局が認定した87茶園のみです。紅茶の生産が盛んなインドの中でも、ダージリン産は約1%しかないため、貴重な品種といえます。
ダージリンの特徴

ダージリンは、爽快感のあるフルーティーな香りが特徴です。「紅茶のシャンパン」とも称され、マスカットのような爽やかな香りを味わうことができます。
ダージリンの茶園は標高600m~2,500mの斜面に点在していて、標高が高いことから朝晩で寒暖差があり、一日に何回も霧が発生します。
このようなダージリン地区特有の環境が、世界屈指の香りや味わいを生み出しているのです。
ダージリンの歴史
ダージリン地区で本格的な茶葉の栽培がスタートしたのは、19世紀のことです。
夏の避暑地を確保するため、イギリスはダージリン地区を開発しました。イギリス人によって、中国から運ばれた2万株の苗が植樹されたことから、ダージリン紅茶の歴史が始まります。
1841年に、ダージリン地区で長官を務めていたキャンベル博士が、ダージリン茶の種子を栽培する実験を開始し、成功を収めます。
これをきっかけに、ダージリンには茶園が続々と開かれていき、1856年には商業的な茶園も設立されました。
その後、ダージリンティーの優れた風味と香りが世界的に認識されるようになり、輸出が活発化されるようになりました。
出典:wikipedia
ダージリンには3つのシーズンがある

ダージリン地区では1年間に、春・夏・秋と3回に分けて茶葉の収穫が行われます。
紅茶は収穫の季節が違えば、味や風味の特徴が大きく変わってくるものです。ここでは、それぞれの収穫時期の特徴を紹介します。
ファーストフラッシュ
・収穫時期:3月〜4月
・茶葉 :柔らかい新芽・緑色の茶葉
・紅茶の色:明るい黄金色
・風味 :爽やかな風味・ほどよい渋み
3月〜4月に収穫される茶葉で「春摘み」「一番茶」ともいわれるファーストフラッシュ。
新芽は柔らかく緑色をしており、紅茶の水色は明るい黄金色をしています。
風味は若々しく爽やかで、ほどよい渋みは緑茶を思わせるほどです。
茶葉本来の香りが楽しめるファーストフラッシュは、ストレートで味わうのがおすすめです。
ファーストフラッシュは希少価値が高く、高値で取引されることも多くなっています。
セカンドフラッシュ
・収穫時期:6月〜7月
・茶葉 :褐色の茶葉
・紅茶の色:オレンジ色
・風味 :マスカットフレーバー
6月〜7月に収穫される茶葉で「夏摘み」「二番茶」ともいわれるセカンドフラッシュ。
ファーストフラッシュと比較すると、より味わいに深みが増し、香りや水色にも力強さが感じられることが特徴です。
葉がしっかりしてきて、加工されると外観が茶褐色となります。水色は明るく、やや濃いめのオレンジ色です。
味やコク、香りのバランスが良く、ダージリンとして最も品質が高いといわれています。
オータムナル
・収穫時期:10月〜11月
・茶葉 :厚くしっかりとした葉
・紅茶の色:濃いオレンジ色
・風味 :強い渋み・深い甘みとコク
10月〜11月に収穫される茶葉で「秋摘み」ともいわれるオータムナル。
雨期の後の乾燥期となり、茶葉は厚くしっかりとして、味には渋みが加わります。
水色は濃いオレンジで、深い甘みとコクがある芳醇な味わいです。
ファーストフラッシュやセカンドフラッシュとは違った印象を与えてくれます。
紅茶の味がしっかりと強く出るオータムナルは、ミルクティーに合うことが特徴です。
ダージリンティーのおすすめの飲み方
3つのシーズンで、春摘みのファーストフラッシュと、夏摘みのセカンドフラッシュは、フルーティーで爽やかな香りが特徴です。
そのため、ダージリンティー特有の風味を感じられるストレートで楽しむのがおすすめです。繊細な香りを楽しむために、何も入れずに本来の味わいを感じてみましょう。
また、アイスティーでも、爽やかな香りを楽しめます。水出しのアイスティーにすると、渋みが目立ちにくく、飲みやすいでしょう。
一方、オータムナルは強い渋みやコクがあるため、ミルクを加える飲み方がおすすめです。秋摘みのダージリンは味が濃く、ミルクを入れても紅茶の香りや味が負けてしまうことがありません。
ダージリンティーの美味しい淹れ方

ここから、ダージリンティーの美味しい淹れ方を紹介します。
基本的な紅茶の淹れ方と同じですが、ポイントはお湯は必ず沸かしたての熱湯を使うことです。熱湯で淹れることによって、ダージリンの本来のおいしさがしっかりと出ます。
【用意するもの】
茶葉、水道水、ティーポット、ティーカップ
①水道水を沸かす
汲みたての水道水を沸騰させてください。
②ティーポット・ティーカップを温める
お湯が沸騰したら、その熱湯でティーポットとティーカップを温めます。
③ティーポットに茶葉を入れる
カップ1杯分(150ml)につき約2.5g(スプーン1杯)が目安となります。
④ティーポットにお湯を注いで蒸らす
茶葉にお湯を注ぎ、細かい茶葉は約2分、大きい茶葉は約3分蒸らします。
⑤紅茶を混ぜてカップに注ぐ
ティーポットの中で紅茶を軽く混ぜ、濃さを均一にします。
最後の1滴までカップに注いだら出来上がりです。
まとめ
今回は、「紅茶のシャンパン」と称されるダージリンについて解説しました。ダージリン地区で生産された茶葉は、収穫時期によって異なる香りや味を楽しめることが特徴です。今回の記事を参考にして、是非お気に入りのダージリンを見つけてみてくださいね。