世界最大の紅茶原産国である「インド」。ダージリンやアッサムといった紅茶の原産地として有名ですよね。
今回は、そんなインド紅茶の特徴や種類について紹介していきます。産地ごとの魅力をチェックして、お気に入りのインド紅茶を見つけてみてはいかがでしょうか。
インド紅茶とは?
インド紅茶とは、インドで栽培・生産された紅茶の総称です。
インド紅茶は、その風味と香りの豊かさから、世界中の紅茶愛好家から支持されています。
地域ごとに異なる個性を持ったインド紅茶が存在します。
特に、北東部のダージリンやアッサムといった地域が主要な産地です。
インド紅茶の代表的な種類
代表的なインド紅茶といえば、北インドの「ダージリン」・東インドの「アッサム」・南インドの「ニルギリ」などが有名です。それぞれ個性の違った紅茶を生産しています。
ここから、代表的なインド紅茶の特徴を見ていきましょう。
【ダージリン】
インドで最も有名な茶葉といえば「ダージリン」です。
インド北東部の山岳地ダージリン地方で生産される紅茶のことを、ダージリンと呼びます。香り高く味わい深い紅茶が生産されることが特徴です。
「紅茶のシャンパン」とも呼ばれているダージリン。セイロンのウバ、中国のキーマンと並んで、世界の三大紅茶と称されています。
ダージリンが生産される茶園は、標高の高いところにあります。日中は気温が上がり、夜は冷え込むという高地特有の気候が、豊かなダージリンの風味を作り出すのです。
高級なダージリンには、マスカットフレーバーと呼ばれるフルーティーな甘い香りがあります。
また、春一番に収穫されるダージリンは、明るい水色と柔らかい味を持つことが特徴です。この特徴が、ダージリンが紅茶のシャンパンと呼ばれる理由になっています。
ダージリンの飲み方は、ダージリンがもつ特有の香りを堪能するため、ストレートがおすすめです。
参考:wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%AA%E3%83%B3
【アッサム】
インド紅茶の中で、最もお手頃な価格の「アッサム」。世界の紅茶市場に出回っている大半は、アッサムであるといっても過言ではありません。
アッサム農園のほとんどは、インド北東部アッサム州にあります。栽培面積が広く、機械を導入した生産方式が導入されているため、アッサムは手頃な価格に抑えられているのです。
アッサム地方は大量の雨が降り、この水量がアッサム独自の渋みを生み出すといわれています。
アッサムティーの特徴としては、まろやかな渋みと濃厚なコクがあることが挙げられます。芳醇で甘い香りがあるのも特徴です。水色は深みのある赤褐色で、澄んだ美しい色をしています。
アッサムは芳醇な香りと濃厚な味わいをもつため、牛乳との相性が良く、ミルクティーに最適です。
参考:wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%83%E3%82%B5%E3%83%A0
【ニルギリ】
「ニルギリ」は、南インドにある西ガーツ山脈の南部でつくられる紅茶の総称です。
現地の言葉でニルギリのことを青い山ということから、「紅茶のブルーマウンテン」とも表現されています。
ダージリンやアッサムと並び、インド紅茶の三大産地として知られているニルギリ。
ニルギリは、ダージリンと同様に最高級品種の紅茶として扱われています。
ニルギリ産の紅茶は、機械による摘み取りでなく、収穫は手作業で行われます。これがニルギリの品質と価格が高い理由です。
ニルギリティーは、繊細でありながらも、コクのある味わいが特徴です。
えぐみやクセが少なく、どこか緑茶のような雰囲気も感じられるため、日本人好みの紅茶といえます。
甘みが豊かで渋みが少ないニルギリは、ストレートではもちろん、レモンティーにも最適です。
また、イチゴやリンゴなどさまざまなフルーツともニルギリは好相性。季節のフルーツをスライスして、淹れたてのニルギリに加えれば、特別なアレンジティーが完成します。
【シッキム】
インド紅茶の中では最も新しく生まれた品種の「シッキム」。
シッキムはダージリンの奥部にあり、ブータンに隣接するヒマラヤのふもとに位置しています。
シッキムはダージリンの近くに位置していることから、ダージリンによく似たマスカットフレーバーが特徴的です。
シッキムの高い標高によって生み出される華やかな香りや、まろやかで繊細な飲み口が高く評価されています。
シッキムには官営のテミ茶園しかなく、生産量の限られる貴重な産地です。そのため、シッキムの紅茶は希少価値が高く、「幻の紅茶」と表現されることもあります。
シッキムの飲み方は、ダージリンと同様に香りを楽しむため、ストレートで飲むのがおすすめです。
また、後味がすっきりしていることから、アイスティーでも美味しくいただけます。
【ドアーズ】
インド北東部に位置しているドアーズ地方にて栽培・生産された紅茶の「ドアーズ」。
ドアーズ地方は、インド北東部・ヒマラヤの裾に広がる地域です。海抜30m〜300mの丘陵地帯に、約150ヶ所の茶園が広がっています。
秋に収穫するドアーズの茶葉は「ローズオータムナル 」と呼ばれていて、バラのような香りがすることで注目を集めています。
ドアーズは、主にインド国内でブレンド用の茶葉として消費されることが多いです。そのため、日本の市場で出回ることは多くありません。
ドアーズティーの特徴は、やわらかな味わいと、香りが控えめなことです。
水色は濃くなりやすいのですが、濃い色のわりには香りや味わいが控えめというギャップがあります。
コク深さを感じにくいドアーズは、いい意味でクセのない、ブレンド向きの紅茶であるといえるでしょう。
渋味が少なくあっさりしているため、アイスやミルク、ストレートでも美味しくいただけます。
何にでも合わせやすいので、ハーブやフルーツを使ったアレンジティーもおすすめです。
【テライ】
インドのウエストベンガル州北部、ダージリンのふもとに位置する地域で生産されている紅茶「テライ」。
テライとは、ヒンディー語で「丘陵地帯」を意味します。
テライはポーランドなどの東欧で特に好まれていて、日本ではなかなか手に入りにくい紅茶です。
テライの紅茶は、マイルドなコクと優しい味わいが特徴です。口当たりが良く、ほのかな渋みを感じます。
鮮やかで濃い水色をもつテライは、ミルクティーにしたときに、とても美しい色になりますよ。
個性が強くないマイルドなテイストなので、ストレートやアイス、アレンジティーなど、どのような飲み方でも美味しくいただけます。
インド紅茶の淹れ方
インドの古典的な紅茶は、ごく標準的な方法で淹れるのが一番です。
ここから、紅茶の基本的な淹れ方をご紹介します。
- ポットとカップを湯通しして温める
- 一杯あたり2g~3gの紅茶の葉を温めたポットに入れる
- 100℃の良く沸騰したお湯を勢いよく茶葉の入ったポットに注ぎ込む
- 温度が下がらないようにポットに蓋をして約3分蒸らす
- 最後の一滴まで勢いよくカップへ注ぐ
世界最大の紅茶生産国「インド」
インドは、世界最大の紅茶の産地です。年間約100万トンを生産しており、世界の紅茶の半分以上を占めています。インドの紅茶生産量は、2位であるスリランカの3倍を誇ります。
インドが紅茶の栽培に適している理由は、気候と土壌が茶樹を生育する条件に適しているからです。
インドは標高が高い地域が多く、昼は暑く朝晩は寒いという特徴があります。茶葉にとって必要な寒暖差があることから、高品質な紅茶がインドで生産されているのです。
また、インドは年間を通じて季節風が吹くため、茶樹に必要な降雨量を十分に確保することができます。
土壌面では、河川の堆積物によって形成された土地が広がっていることも、大きなメリットです。インドは土地が肥えていて、農作物がよく育ち、茶樹の生育に適しています。
このような恵まれた気候と土壌の条件によって、インドでは高品質な紅茶が数多く栽培されているのです。
インド紅茶の歴史
インドにおける紅茶の歴史を理解するためには、まずは当時のイギリスの状況について知る必要があります。
17世紀ごろ、オランダ人がヨーロッパにお茶をもたらして以来、イギリスでは貴族から一般庶民まで、幅広い層の人々がお茶を楽しんでいました。
その人気ぶりは、お茶が原因となって2度も戦争が起こったほどです。
18世紀始めまでは、イギリスは中国との茶貿易が盛んでした。しかし、イギリスは中国からの輸入だけで、茶の需要をまかなうことに限界を感じ、自国の植民地であるインドでお茶の栽培を行うことを決意します。
「アッサム種」発見と「プランテーション農業」の展開
イギリスがインドでお茶の栽培を成功させた理由は、19世紀にインドで「アッサム種」という新しいお茶の品種を発見したことでした。
それまでイギリスは、中国産の茶葉をインドに移植することを試みていたのですが、中国種はインドの気候に適さず、挫折を繰り返していたのです。
そんな中、1823年にイギリス人冒険家ブルースが、北東部のアッサム州で自生種を発見。それを「アッサム種」として品種改良を始めました。
高い評価を受けたアッサム茶は栽培が拡大され、インドで大規模なプランテーション農業が展開されていったのです。
また、お茶の栽培がインドで進んでいくなかで、1841年にはダージリン地方で中国種が育つことも発見されました。
2つの種類のお茶を生産できるようになったインドは、その輸出量を急激に伸ばし、紅茶大国として地位を確立したのです。
参考:wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%8C%B6
インドの国民的飲み物「チャイ」
イギリスの植民地となり、プランテーション農業によって世界最大の紅茶生産国となったインド。しかし、良質な紅茶はあくまで「輸出用」であり、インドの人々が口にすることはありませんでした。
そんな中、インドの人々の間で飲まれるようになった飲み物が「チャイ」です。
元々チャイは、お茶の葉のカスを原料として作られていたものでした。お茶の葉のカスはそのまま淹れると苦味が強く、飲むことは難しいものです。
インドの人々は、そのお茶の葉のカスから淹れたお茶に、砂糖やミルク、スパイス類を混ぜ合わせることによって、味を変化させて飲んでいました。
その甘さとスパイスの香りが、インドの猛暑の中で疲れを取り除いてくれる、インド人の大切な栄養源となりました。
このようにして誕生したチャイは、次第にインドで人気を博し、国民的な飲み物として愛されるようになったのです。
たくさんの香辛料と茶葉たちが混ざり合い、力強くエキゾチックに香り立つチャイ。
体の内側からぽかぽかするチャイは、温活にもぴったりですよ。
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まとめ
今回は、インド紅茶の特徴や魅力、歴史について紹介しました。
インドでは、さまざまな味と香りの紅茶が産み出されています。
産地ごとに特徴が異なりますので、それぞれの個性を楽しんでみてはいかがでしょうか。
また、インドの産地の近くにあり、今後注目されていく産地である「ネパール」の紅茶もおすすめです。
ネパールの中でも夏摘みの紅茶は、味・香りともに最も充実すると言われています。
ネパール夏摘み紅茶【慶雲 雲透 〜KUMOSUKI TEA〜 】は、ややオレンジがかった美しい水色に、複雑でコクのある深い味わいが魅力的です。
紅茶初心者の方にも紅茶通の方にも満足していただける、紅茶の魅力を凝縮したかのような素晴らしい茶葉なので、気になる方は是非ストレートでお試し下さい。
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