紅茶を美味しくする温度は?温度をキープする方法や淹れ方などを解説|KUMOSUKI〜雲透〜

紅茶を美味しくする温度は?温度をキープする方法や淹れ方などを解説

紅茶を美味しくする温度は?温度をキープする方法や淹れ方などを解説|KUMOSUKI〜雲透〜

美味しい紅茶を淹れたいと思い、高級な茶葉を買ったとしても「高い茶葉なのに、少しも美味しくなかった」という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。ただ、その場合淹れ方が間違っている可能性があり、一番多い原因として、お湯の温度が合っていない可能性が高いです。

紅茶を美味しく淹れるなら、お湯の温度も重要ですが、カップやポットを温めるなど、なるべく高い温度をキープしなくてはいけません。今回は、紅茶を淹れる時のお湯の温度の目安の淹れ方のコツなどをご紹介します。

美味しい紅茶を入れるなら温度に注意

緑茶を淹れる時には沸騰させたお湯だと美味しくないですが、紅茶は逆に沸騰したお茶でないと美味しくありません。紅茶を美味しく淹れるならお湯の温度は重要で、茶葉の味を引き出すためにも熱湯が必要です。

また、美味しい紅茶では水選びも重要で、紅茶の質や風味を左右するために、水の種類にも注意してください。以下に、なぜ紅茶のお湯の温度は高くなくてはいけないのか、その理由をご紹介します。

お湯の温度は100度が基本

美味しい紅茶を淹れるなら、使うお湯の温度は、沸騰させたお湯=100度が基本です。具体的には、沸騰してお湯がポコポコ泡立ってから、少し落ち着いた状態がベストとされます。

さらに具体的に言えば、やかんでお湯を沸かした時、沸騰して火を一旦止めてから、10秒経過したタイミングが最適の温度です。ぬるいお湯で紅茶を入れると、成分が抽出できず、同時に香りも減ってしまうため、最低でも90度以上のお湯が必要となります。

タンニンは80度以上で溶けだす

タンニンは紅茶の渋みの成分ですが、同時に紅茶の美味しい成分の1つでもあります。このタンニンは80度以上のお湯に溶け出す性質を持っており、茶葉の産地や種類にはあまり影響されません。

渋みがないほうが美味しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、美味しいとされる紅茶にはタンニンが含まれることが多いです。タンニンを適量抽出させるためにも、お湯は、できるだけ高い温度(95度以上)を保つようにしましょう。

95度以下のお湯はえぐみが増す

タンニンは渋みの成分であると説明しましたが、苦みの成分であるカフェインは、95度以下のお湯で抽出されます。具体的には、80度以上95度以下の沸騰していないお湯を使うと、カフェインだけが抽出できます。

カフェインは苦味とえぐみの成分なので、緑茶とは違い、沸騰したお湯を使わないとえぐみが増す可能性大です。そのため、カフェインだけでなくタンニンも抽出させることがポイントで、お湯の温度は最低でも95度以上が必要とされます。

低温のお湯を入れてしまった時は?

上記でも説明したように、お湯の温度が95度以上でないと美味しい紅茶は淹れられません。もし、うっかり低温のお湯を注いでしまった時には、すぐに茶葉を取り出し、新しく熱湯を注ぎ直しましょう。自分で紅茶を楽しむ分には失敗しても問題ありませんが、お客様にお出しする時などは、うっかり低温のお湯で入れないように注意が必要です。

慣れてくると、茶葉の色や香りで美味しい紅茶かどうか判断できるようになります。普段から熱湯を使う癖をつけて、いつでもどこでも美味しい紅茶を淹れられるようになりましょう。

お湯の沸かし方のポイント

茶葉から美味しい成分(タンニンなど)を抽出するためには、お湯の温度が高いのはもちろんですが、同時に茶葉がジャンピングしやすいかも重要なポイントです。ジャンピングとは、ティーポットなどの中で熱対流が起こり、茶葉が浮いたり沈んだりを繰り返し、上下に動く現象を指します。

ジャンピングによって茶葉が開くため、ジャンピングなしでは茶葉の旨味が抽出できません。後述しますが、ジャンピングがしやすいティーポットなどもあり、ポット選びも美味しい紅茶を入れるためのポイントです。

紅茶にぴったりの水の選び方

美味しい紅茶を淹れるなら、水選びも大切ですが、実は普通の水道水が一番向いているとされます。理由は、新鮮な水道水には空気が多く含まれているので、茶葉の抽出にも向いているからです。また、水道水は保存性も高いですし、日本の水道水は殺菌もされているので安心して使えます。

水道水は衛生的な水でもあるため、水道水で入れた紅茶は長持ちするのもメリットです。ただ、水道水は殺菌などがされている分、カルキ臭が気になることもあります。カルキ臭がどうしても気になるなら、、浄水器を使ったり、一度沸騰させたりなどすれば臭いも気にならなくなるので、試してみてください。

他にもミネラルウォーターを使う時には、硬水と軟水に分かれる点に注意が必要です。日本人向けなら、飲みなれた軟水(水道水も軟水なため)のほうが、飲みやすく感じられます。

水道水がおすすめの理由

上記でも説明しましたが、紅茶を淹れる時におすすめの水は水道水です。水道水には多くの空気が含まれており、ジャンピングしやすいのも理由の1つですが、特に汲みたての水がおすすめとされます。ペットボトルの天然水やあらかじめ汲み置きして時間が経った水道水では、美味しい紅茶は入れられません。空気が含まれていれば、茶葉の成分も抽出しやすくなるので、できるだけ空気が抜けていない、汲みたての水道水を使うようにしましょう。

紅茶のゴールデンルールとは?

紅茶の入れ方には「ゴールデンルール」と呼ばれるものがあります。上記と重なる部分もありますが、ルールには「汲みたての水を使うこと」「鉄分の含まれたポットは避けること」「内側が白いポットを選ぶ(ティーカップに注いだときにゴールデンリングが出やすくなるため)こと」などもポイントです。

この中でも、ポットの選び方は重要で、鉄製のポットを使うと、紅茶の色が黒っぽくなるだけでなく、風味を損なってしまいます。そのため、紅茶を入れるポットは、陶磁器製や銀製のポットを使うようにしてください。紅茶専用のポットがないなら、緑茶用の急須などでも大丈夫なので、鉄製だけは避けるようにします。

ミルクティーのミルクの選び方

紅茶をストレートではなく、ミルクティーなどで楽しむ方も多いでしょう。ミルクティーは牛乳を入れますが、この時の牛乳は普通の牛乳を選ぶのもポイントです。中には、コーヒー用のクリームなどを入れる方もいらっしゃいますが、風味が損なわれるので避けます。また、ミルクティーに入れる牛乳は、温めずに、冷たいまま、または常温の牛乳を使うのもポイントです。

冷たい牛乳は避けたいという場合は、ミルクピッチャーを一旦湯通ししてから、冷たい牛乳を注ぐようにしましょう。また、ミルクティーとストレートティーの茶葉は専用に分けて使うことも大切です。さらに、ミルクティーの場合は、牛乳で味がまろやかになる分、多めに茶葉を使うようにしてください。

色と香りは温度で変化

紅茶の色と香りはお湯の温度で変化すると書きましたが、具体的にどう変わるのかをみていきましょう。まず色についてですが、お湯の温度が高温(100度がベスト)になると茶葉から多くの成分が抽出され、色も濃いめの茶色になります。一方、お湯の温度が低いと色素が抽出されにくいので、薄い茶色になるなどの違いがあります。

次に、香りについてですが、お茶の香りは「テアニン」と呼ばれる成分(アミノ酸の一種)が影響しており、お湯の温度が高いとテアニンは多く抽出される仕組みです。そのため、色や香りを十分に出したいのであれば、高温のお湯を使ったほうが、美味しさの成分が多く抽出されます。

飲む時の最適温度は60~70度

紅茶を淹れる時には、100度のお湯が基本でしたが、それはあくまで淹れる時のポイントです。実際の所、紅茶の温度が100度もあると熱くて飲めないという方が多数でしょう。そのため、飲む時の温度は100度ではなく、60~70度が最適とされます。

紅茶の温度が60~70度なら、熱くて飲めないこともなく、ゆっくりと味わえます。ただ、100度のお湯を注いだとしても、紅茶は蒸らす時間があるため、そこまで熱々のお茶を飲む機会は少ないかもしれません。

お湯の温度をキープしながら入れる手順

紅茶のお湯の温度は高温である必要がありますが、実際に淹れてみると、温度をキープするのが意外と難しいです。普通に紅茶を淹れるだけでは、簡単に温度が下がってしまうため、食器などを温めておくなどの工夫も必要です。以下に、お湯の温度をキープしつつ、美味しい紅茶を淹れるポイントや手順をご紹介します。

1:ポットの温め

紅茶を淹れる前には、まずは、ティーポットを温めておきましょう。せっかく沸騰させたお湯でも、ポットが冷めていると、注いだ瞬間に10度ほど温度が下がってしまいます。そのため、お湯や茶葉を入れる前に、ポットを温めておくことで、お湯の温度も高温をキープできます。

ちなみに、お湯の量はポットが軽く温まる程度で良いので、ポットに並々とお湯を入れる必要はありません。

2:お湯をカップに移す

ポットが温まったら、今度はカップを温めておきます。こちらも並々とお湯を入れる必要はありません。ポットもカップも温めた後は、お湯を捨てるのがポイントです。

3:茶葉をポットに注ぐ

ポットを温めたお湯を捨て、空になったら、茶葉を入れて熱湯を注ぎます。勢いをつけるようにしてお湯を注ぐと、ジャンピングが起こりやすくなり、より美味しい紅茶を入れられます。ちなみに、カップ1杯のお湯(150㏄~180cc)に対して、茶葉の量は2~3gが目安です。


4:茶葉の蒸らし時間の目安

ポットにお湯と茶葉が入ったら、蓋をして蒸らします。大きめの茶葉なら3分ほど、小さ目の茶葉なら2分ほど、ハーブティーなら3分ほど蒸らすのがポイントです。ただ、蒸らし時間が長すぎると、苦みや雑味が増えてしまうので気をつけてください。

5:お湯を捨てて注ぐ

今度は、温めて置いたカップのお湯を捨て、紅茶をカップに注ぎましょう。先にカップを温めておくと、紅茶の温度が下がりづらくなり、美味しい紅茶を淹れられますし、カップが温まっていると香りもより立ちやすくなります。

お湯の温度が足りないとジャンピングしない?

ジャンピングするとお湯の対流が起こり、茶葉から成分が抽出されます。この時にジャンピングをうまく起こすためには、沸騰したばかりのお湯では難しいです。必ず、沸騰してからポコポコしだして、沸騰後しばらく(1分ほど)加熱した熱湯を使ってください。

ポコポコしだしたお湯は100度になっていますが、沸騰したばかりではお湯の温度が足りない可能性があります。

ジャンピングが簡単なティーポット

紅茶を美味しくする温度は?温度をキープする方法や淹れ方などを解説|KUMOSUKI〜雲透〜

紅茶を入れる時に、ティーポットを変えるだけでもジャンピングが起こりやすくなります。一般的には丸みのあるポットがジャンピングも起こりやすいとされるため、お使いのポットを変えてみるのも1つの方法です。

ティーカンパニーのLEMURIA(レムリア)で扱っているHARIOのジャンピングティーポットは、茶葉がジャンピングをしやすいようにと、横に少し丸みのあるオリジナルの形になっています。

まとめ

紅茶を美味しく淹れるためには、何よりもお湯の温度が大切です。紅茶に使うお湯の温度は100度が最適とされますが、理由は高温のほうが茶葉から成分を抽出しやすいからです。ぬるいお湯で紅茶を入れてしまうと、苦みやえぐみなどが多くなり、美味しい紅茶なりません。

そのため、まずは、お湯をしっかりと沸騰させて、カップやポットも温めてからお湯を注ぐのがポイントです。美味しい紅茶を淹れるためにも、まずは温度をしっかりと確認してみてください。
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