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山を愛する人のための紅茶 / ONDE
山を愛する人のための紅茶 / ONDE
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【山を愛する人のための紅茶 / ONDE 】
鳥取県には、大山(だいせん)という山があります。私たちの住む米子市側から見ると富士山のような美しい形をしていて、古くから伯耆富士(ほうきふじ:伯耆とは、昔の伯耆国の名残で、鳥取県中西部から島根県東部の一部の地域一帯を指す。大山は、「伯耆富士」「伯耆大山(ほうきだいせん)と呼ばれていた。)と呼ばれています。
ある時、大山にある老舗ホテルの担当者さんから、オリジナルの紅茶を作って欲しいというご依頼をいただきました。そのホテルは、大山の山奥にある大きな宿泊施設で、夏は登山客、冬はスキー客とたくさんの人が集います。いわゆる〝山好きの人たち〟が泊まるホテルなのです。それならば、せっかくだから〝山を愛する人のための紅茶〟を作ろうと思ったんです。山登りやスキーだけではなく、キャンプ、沢登り、森林浴に紅葉狩り、山の中に分け入っていく人も、遠くから山を眺めたい人も・・・とにかく、山や緑が大好きな人たちが、山と共に、山に抱かれ、もしくは、山を愛でながら・・・おいしく飲めるブレンドにしようと決めました。
少し話が逸れるのですが、私はゴジラが好きです。日本のゴジラとアメリカのGODZILLAの映画での違いをご存知ですか?私は大学時代に民俗学の授業をとっていたのですが、とても変わった教授で、初めての授業の日、教壇の上にゴジラのフィギアを乗せて、そこで熱く「ゴジラ」について語り始めました。「ゴジラ」というのは、人間の自然に対する価値観を表現しているらしいのです。アメリカ映画では、人間がすごい武器や最新の兵器を使って、GODZILLAを倒します。一方、日本の映画のゴジラは、どんなに攻撃されても倒れることはなく、最後は、海に帰っていくんです。西洋の文化圏での、価値観や宗教観では、自然というのは、自分たち人間の技術や進化でコントロールできるもので、だから、アメリカ映画の中では人間の技術や発明をもってして、GODZILLAは倒されてしまうのだそうです。逆に日本のゴジラは、激しい戦いによって瀕死の重傷を負っても、背中を向けて海に去っていくだけで、絶対に死なないんです。いつまた現れて、どこに戻っていくのかも、誰にもわからないし、コントロールできない。それは、台風や地震がそうであるように、自然というものは自分たちでは支配することができないもの・・・という日本人独特の自然観や宗教観を表しているそうです。つまり、日本人は、自然の恩恵をたくさん受けて、その美しさに魅了され、感謝するのと同時に、自然の恐ろしさもよく知っていて、畏敬の念を持っているということです。(畏敬:深い尊敬と同時に、その偉大さや神聖さに対する恐怖を併せ持つ感情)
私は、日本という災害の多い国で、人々が自然の脅威に恐れの感情を持ちつつも、それら受け入れて生きていく強さや寛容さ、季節ごとに日々の微細な変化に気づき、雲や風に美しい名前をつけ、自然を愛でながら、リスペクトしながら、自然と共存して、ずっとずっと生きてきた日本人特有の、日本人らしい感性やとても素敵だなと感じると共に、日本人のその繊細さやアイデンティティーをとても誇りに思っています・・・だから、それを「雲透〜KUMOSUKI〜」というブランドで、紅茶で、表現できたらとずっと思っていました。
そんな時に「山をイメージした紅茶」を作るチャンスに恵まれて、遠藤、めちゃくちゃ張り切ってしまったわけです!!日本の美しい山々の四季の移り変わりを、紅茶の味わいで表現しよう!!!って!!!!そうだ、名前は「山を愛する人のための紅茶」にしようと!!!!
まずは、何種類かブレントしてみて、出来上がった紅茶を保温ポットに入れて、大山にドライブに行きました。晴天の秋の日にうねうねと山道を走り、駐車場に車を停めたら、マグカップに紅茶を注いで、美しい紅葉を眺めながら紅茶を飲んでみました。「うん、いいなぁ。山を感じる。」と一息ついてから、来た道を戻り、事務所に帰ってブレンド比率を調整します。次に、遠藤、何をしたと思います?
大山の登山口の近くに、私の幼馴染のご家族が「川床屋」という民宿を営まれていて、昔から登山やスキーに訪れる観光客、運動部の合宿にやって来る学生たちで1年中、賑わっていました。彼のお父さんは長年、登山ガイドもしていた山のプロフェッショナルで、彼自身も高校生の頃は、背負子(しょいこ)といって、山頂にジュースを運ぶアルバイトをしていたという本物の山男でした。・・・春がくるのを待って、彼に連絡して「山を愛する人たちに飲んでもらいたいから、大山に登りたいんだけど・・・」というと「いいですね!!行きましょう!!」と二つ返事。「はい」と「イエス」と「イイっすね」しか言わない単細胞な彼は、前日に登山に誘っても付き合ってくれる素晴らしい弟分です。「紅茶を入れていく保温ポット、それから頂上の山小屋でもブレンドを最終調整してテイスティングしたいから、お湯を沸かすためのカセットコンロと、お水も多めに必要なんだけど平気?」と聞くと、「大丈夫です!!」とさすがは、背負子!!持つべきものは山に強い舎弟ですね!!
愛すべき単細胞(←おい、謝れ・・・笑)に2リットルの紅茶と4リットルのペットボトル、家庭でお鍋する用のカセットコンロを担いでもらい、遠藤は紅茶の葉っぱとおやつにチョコやキャンディだけ持って(自分の荷物だけめっちゃ軽い!!笑)、まだ暗いうちから登り始めました。実は大山って、プロの登山家や登山部の学生なんかがトレーニングにやってくる、なかなかハードな山なんですよ。でも、そこは「山を愛する人たちの気持ちにならないと!!」ってことで、目の前に山がある限り、紅茶のために、登るしかないでしょう?!
登りきりましたよ!!ギャーギャー騒ぎながら、最後はゼーゼー虫の息になって大人しくなりましたけど(笑)最高の達成感!!下から見上げる美しい大山もいいけど、上から見下ろす街や海の景色も最高―――――!!!
そして、山頂では先客や次々に登ってくる登山を楽しむ方々に小さな紙コップに紅茶を注ぎ、「あの・・・私、小さな紅茶の会社をやっていて、この度、山を愛する人のための紅茶っていのをブレンドしたんですけど、実際に山を愛してる人たちに試飲してもらいたくて、持ってきたんで飲んでみていただけませんか?」と声を掛けて配りまくりました。(背負って持って上がってきたのは、私じゃなくて山男の舎弟ですけどね?笑)
「どうですか?新緑の爽やかな雰囲気、ちゃんと出てます?!」「後味に深みが増して、広がってくる感じ、わかります?!」と前のめりにグイグイとくる遠藤の圧に、山を愛する若者もお父さんたちも「あ、あぁ・・・なんとなく感じます。」「爽やかですね!!言われてること、わかる気がします。」と答えてくださいました(押されてる感はありましたが・・・笑)。
そして、夏が来たら、今度は紅茶の入った水筒を背負って沢登り。夏だからとアイスティーを作って出掛けたのですが、雪解けの川の水はあまりにも冷たくて、「ま、間違えた・・・沢登りにはアイスティーじゃなくて、ホットだった」と夏山でブルブル震えながらテイスティング・・・とにかく、この紅茶をブレンドするために、山登りも沢登りもしてきました!!体、張ってます!!我ながら、すごい執念・・・笑
そういうわけで、遠藤の渾身の山を愛する人のための紅茶の味わい・・・長いですが、読んでもらってもいいですか?
まず、ファーストフラッシュと呼ばれる春摘みの茶葉は絶対に使いたいと、最初から決めていました。〝グリニッシュ〟と表現される春摘み特有の若々しい香りは、山の中で緑に囲まれて深呼吸するフレッシュな空気感を表現するのに欠かせないと思ったからです。そして、もうひとつは、やはり、日本の山で、日本人の自然観、日本の四季を表すなら、できれば、和紅茶で作れたらいいなと思い、何種類か和紅茶を飲み比べました。その中で、やぶきたという品種があるのですが、元々が緑茶品種なので、それ単体だと青さが際立ってしまい、紅茶というよりは、日本茶や緑茶っぽくなってしまうのですが、ネパール紅茶の芯の通ったしっかりとした渋みとファーストフラッシュの爽やかな甘さが、上手にバランスを取ってくれました。
この新緑を思わせる若々しい爽やかな香りが最後まで続くのも、スーパーロングアフターテイストを作り出す技術を持ったミストバレー茶園の成せる技です。
トップの爽やかさは、春の山々の芽吹きを思わせてくれ、しっかりとした渋みは夏の眩しい日差しの中で輝く生命力溢れる新緑を、そして、紅茶の湯温が少し下がってきて、渋味の奥からやさしい甘さと舌の上でコロリと転がるまろやかなマウスフィーリング(舌触り)を感じられるようになると、美しく深まる紅葉の山の広がりを思い浮かべます。味わいと香りが変化していっても、最後の最後まで、美しい透明感を保ち途切れないアフターテイストは、真っ白な雪山を思わせ、そこからまた続く、次の春までも連想させます。
爽やかだけど、甘さも深みもあり、そして、温度が変化しても最後まで美しいこの紅茶の味わいは、まさに、どの季節も美しい日本の山々そのものです。
山や自然への感謝と敬意を紅茶にしたこのブレンドを私は「飲む森林浴」と呼んでいます。山を愛する〝あなた〟に飲んでもらいたいです。
結局、その老舗ホテルさんも「自分のところだけで独り占めするのはもったいない」と言って、快く許可してくださり、「山を愛する人のための紅茶」として、自社でも販売させていただけることになりました。遠藤の執念が実った瞬間でした。ここだけの話、次は「海を愛する人ための紅茶」も作ろうと目論んでいます・・・笑
[レシピ](約2杯分)
お湯の量 : 約400ml
茶葉 : 約5g(ティースプーン山盛り2杯)
蒸らし時間 : 5〜6分
[紅茶のおいしい淹れ方]
1. ポットとカップをしっかり温める。
2. 品質のいい茶葉を使う(用途に合った茶葉を選ぶ)
3. ティースプーンなどを使い、茶葉を正確に量る。
4. 新鮮な汲みたての沸かしたての湯を使う。(沸騰したての熱湯)
5. ティータイマーなどを使い、時間を正確に測る。
[ポイント]
紅茶のおいしい成分タンニンは、80℃以上の高い湯温で、ゆっくりと溶け出すという性質があるため、抽出中になるべくお湯の温度が下がらないようにティーポットをしっかりと温め、できるだけ熱いお湯で淹れ、蒸らし時間をしっかりととることが大切なポイントです。
ティーカップ1杯あたり、茶葉は約2.5〜3gで、お湯の量150〜200mlが一般的で、蒸らし時間は、茶葉の品種や形状(大きさ)によって異なります。
[水出しアイスティー]
茶葉 : 5~6g
水 : 500~600ml
抽出時間:冷蔵庫で8時間
1. 茶葉を容器に入れて、上から水を注ぐ。
2. 冷蔵庫で8時間以上、冷やす。(常温の場合は4時間でできますが、衛生面の安全性を考えて、夏場は冷蔵庫で作ることをおすすめします。)
3. 茶漉しで濾したら出来上がり
[ポイント]
ホットやオン・ザ・ロックス・アイスティーの場合、沸騰したての高い湯温で茶葉を蒸らすため、基本的には1煎目しか抽出しないのですが、水出しの場合は、茶葉にまだ紅茶のおいしい渋味成分タンニンが残っていますので、余った茶殻にお湯を注いで、ホットティーやオン・ザ・ロックス・アイスティーを作っていただくこともできます。二度、楽しめるので、おすすめです。
[内容]
原材料:紅茶
原産国:日本、ネパール
内容量:25g/パック
賞味期限:製造日から3~4年
保存方法:直射日光及び高温多湿を避けて保存してください
[サイズ]
サイズ: 縦 17cm × 横 11cm × 奥行 5cm
(スタンディングパックの状態でおよそのサイズ)
